「矯正はした方がいいの?」
最近は口元の美しさの需要がさらに高まっており、昔と比べても患者さん本人がご自身で決意して治療に望まれる方が増えてきています。矯正治療はそのような見た目(審美性)の向上を目的としていますが、それ以外にも機能的(よく噛める)、予防的(虫歯、歯周病予防)な改善、促進を目的としている面もあります。
今まで前歯で噛み切る事が出来なかった、歯が重なってるところの歯茎がよく腫れる、などといった方も矯正治療は適応されます。
矯正治療は患者様の年齢や症状により治療期間や治療方法が異なります。精密に検査を行い、問題点や治療内容についてよく納得していただいてから初めて治療を開始します。
歯並び・咬み合わせのこと、まずはご相談ください。
歯の凸凹や隙間、受け口、出っ歯などの問題が改善されることで、口元の見た目が良くなります。口が閉じづらい人は、治療によって口が閉じやすくなり、口腔内の乾燥を防ぐことができます。その結果、口腔衛生状態が向上し、口臭が軽減される効果も期待できます。
不正咬合(歯並びの問題)は、虫歯や歯周病のリスクを高めます。これは、プラーク(歯垢)が歯ブラシの届きにくい箇所にたまりやすいためです。その結果、同じ箇所での虫歯治療が繰り返し必要になり、虫歯の治療が難しくなることがあります。同様の理由から、歯周病も発生しやすくなります。しかし、歯並びを改善することで、歯磨きがしやすくなります。これにより、虫歯や歯周病のリスクが低くなります。
歯並びの問題があると、口元を隠したくなり笑うことが控えめになり、性格が内向的になることがあります。しかし、矯正治療によって歯並びを改善すると、自信を持って笑顔を見せることができ、コンプレックスが解消されます。その結果、積極的な性格を取り戻し、より自然な表情でコミュニケーションを楽しむことができます。
歯並びや咬み合わせの気になる点や悩んでおられることについてお話を伺い、治療の流れや矯正装置、治療費などについて詳しく説明させていただきます。未成年の方は必ず保護者の方と一緒にご来院ください。
レントゲン写真やお口の写真、歯の模型、咬み合わせなどを採り、分析させていただきます。
矯正装置をつけるとお口の中が手入れが難しくなります。矯正治療中にお口の中の衛生状態を清潔に保っていただくために、当院では治療開始前に口腔衛生指導(歯磨き指導)を受けていたただいております。歯磨きがしっかりと出来るようになってから、矯正治療を開始させていただきます。
検査・分析の結果にもとづき、今後の治療方針や治療方法、治療期間などについて説明させていただきます。 診断内容に十分にご納得、ご同意していただいてから、治療を開始させていただいております。
治療方法や治療期間は年齢や歯並び、咬み合わせの状態によってさまざまです。お子様(永久歯がはえそろうまで)の治療では、上下の顎の大きさを整えるなど主に顎の発育に関する治療を行います。 大人の方(永久歯がはえそろっている方)の治療では、歯並びや咬み合わせの最終的な治療を行います。
矯正歯科治療中は、通常1~2ヵ月に1回のペースで来院していただきます。調整期間はおよそ1.5~2.5年程度ですが、歯並びや咬み合わせの状態、治療方法などによって多少前後いたしますので、あらかじめご了承ください。 調整時には歯や装置周りのクリーニングを行います。
矯正装置を取りはずします。歯並びや咬み合わせだけではなく、歯の色もきれいにしたいとご希望の方には、歯のホワイトニングも行っておりますので、お気軽にご相談ください。
歯並びが安定するまで、定期的に咬み合わせとリテーナー(保定装置)をチェックさせていただきます。保定期間中の来院頻度は1年に1~3回程度です。
マウスピース矯正は、透明な特製のマウスピースを使用して歯列矯正を行う治療法です。
マウスピースは口に装着し、歯を徐々に移動させて理想的な歯並びを実現します。透明で目立ちにくいため、外見を気にせずに治療を受けることができます。マウスピースは取り外し可能で、食事や歯磨きの際に外すことができます。治療の進行に応じて、定期的に新しいマウスピースに交換します。マウスピース矯正は快適かつ衛生的で虫歯や歯周病のリスクを大幅に減らすことが可能です。
表側矯正治療は、歯の表面に装着する透明なブラケットとワイヤーを使用した歯列矯正の治療法です。これにより、歯の咬み合わせや歯並びを改善し、美しい笑顔を実現します。透明なブラケットは目立ちにくく、治療中でも自信を持って日常生活を送ることができます。
また、ブラケットは歯に密着するため、効果的な力をかけることができ、比較的短期間での治療が可能です。治療の進行に応じて、定期的に調整が行われ、ワイヤーの張力を変えて歯を徐々に移動させます。表側矯正治療は、歯並びの改善やかみ合わせの修正、噛み合わせの不調の改善など、様々な矯正のニーズに対応することができます。歯科医師との相談を通じて、自身の状態や治療目標に合った最適な治療プランを立てることが重要です。
裏側矯正治療は、歯列矯正の一種で、裏側にブラケットとワイヤーを取り付ける方法です。つまり、ブラケットが舌側に装着されるため、外側からは見えにくく、見た目を気にせずに治療を受けることができます。裏側矯正は、特に外見に敏感な方やスポーツ選手などに適しています。また、噛み合わせの問題や歯の不正な配置を改善するのに効果的です。
舌側矯正のメリットは見えにくいこと。矯正治療は目安半年から一年はワイヤーをつける期間があり、その間の見た目が気になる方は特に多いです。舌側矯正では周囲の人から知られることもないですし、周りの人が歯並びの変化に気づいたときには治療が終了しているということになります。
また、表側矯正と比較すると装置が舌側にくるため最初は違和感があり慣れるまで発音しにくいといった面もありますが、舌側は虫歯になりにくいといった面もあります。
インビザラインは、透明なマウスピースを使った目に見えにくい歯列矯正治療です。従来の金属のブラケットやワイヤーではなく、特製のプラスチック製のマウスピースを装着します。
マウスピースは透明で装着後の外見が目立ちにくく、日常生活においても取り外しが可能です。定期的に新しいマウスピースに交換していくことで、徐々に歯列の移動を行い、理想的なかみ合わせや美しい笑顔を目指します。インビザラインは、見た目を気にせずに治療を受けることができます。
これまでの矯正治療では、歯にブラケット装置を接着してワイヤーで力をかけないと歯を動かすことができませんでした。ブラケット装置は取り外しができないため、歯磨きを念入りに行わないと虫歯や歯周病に罹りやすいというリスクがありました。また外側の装置では、どうしてもブラケットやワイヤーが見えてしまうため、目立ちやすいという欠点がありました。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、アライナーと呼ばれるマウスピースをご自身で着け外しして歯を動かしますので、食事や歯磨きの時は取り外すことが可能なため、非常に衛生的で虫歯や歯周病のリスクを大幅に減らすことが可能です。アライナーは透明ですので、着けていてもほとんど目立ちません。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)は取り外し可能な矯正装置ですが、原則として1日中装着する必要があります。食事・歯磨きの時はアライナー(マウスピース)を外していただいて構いませんが、1日21時間以上(理想的には22時間)の装着が必要です。
装着時間が短いと、装置が合わなくなりアライナーの再作製が必要になったり、治療が予定通り進まず、治療期間が伸びる原因になります。
アライナー(マウスピース)は原則として1日中装着が必要ですが、透明に作られているため、着けていてもほとんど目立ちません。最近ではセラミックブラケット装置やホワイトワイヤーの登場により、ブラケット装置もかなり目立ちにくくなってきていますが、見えやすいという欠点がやはりありました。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)は透明の矯正装置ですので、ブラケット装置に比べ目立ちにくく、見た目にはほとんどわかりません。 またリンガルブラケット矯正装置のように歯の裏側に出っ張りが着くことがないため、舌の違和感が少なく、発音発語に影響が少ないです。
アライナー(マウスピース)は患者さん自身で取り外し可能なため、食事や歯磨きの時は外していただきます。普段通りに食事や歯磨きを行うことが可能なため、非常に衛生的です。ブラケット装置に比べ、虫歯や歯周病のリスクを大幅に低減することができます。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)は原則として7~10日に1度のペースで新しいアライナー(マウスピース)に変えていきます。それを繰り返していくことにより、少しずつ少しずつ歯を動かしていきます。指示を守って1日中しっかりとアライナーを装着していただければ、治療期間はブラケット装置で治療するのと同等か早く終わることが多いです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)のアライナー(マウスピース)で一度に歯を動かす量は約0.2mm程度です。アライナーを7~10日に1度交換して、少しずつ歯を動かすことを繰り返していくことにより、歯列・咬合を整えます。歯と顎の骨の間にある歯根膜の厚みは約0.3mm程度で、アライナーで1度に動かす量は歯根膜の厚みより少ないため、痛み・違和感が低減されます。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)にも欠点があります。以前のマウスピース型矯正装置(インビザライン)は歯の型を取って、そのままアライナー(マウスピース)を着けていただいていました。取り外し可能な装置のため、装置と歯の間に遊びがどうしてもあり、しかも歯の表面はツルツルしていて滑沢なため、装置が歯の表面で滑ってしまい上手く歯を動かすことができませんでした。
それを改善するため、歯の表面にアタッチメントと呼ばれる引っかかりを着けることにより、歯と装置が緊密にと密着し、歯を厳密にコントロールすることができるようになりました。アタッチメントは歯と同じような色をした小さな出っ張りで、よく見ないとほとんど見えません。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)はブラケット装置と遜色なく治療することが可能ですが、すべての症例に適応可能なわけではありません。場合によっては、ブラケット装置と組み合わせて治療を行う場合や、アライナー(マウスピース)では治療できない場合もあります。
アライナーで治療可能かどうかは、実際に口の中を診させていただかないと判断できませんので、マウスピース型矯正装置(インビザライン)での治療をご希望の方は、お気軽に初診相談にお越しください。
歯の複雑な動きを厳密にコントロールし、緊密で安定した咬み合わせを作るためには、マルチブラケット装置以外に付加的な装置が必要になります。特に抜歯症例では、以前はマルチブラケット装置以外にヘッドギアなどのいわゆる顎外装置と呼ばれる大きな装置を毎日家でつけて頂く必要がありました。
しかし、24時間ヘッドギアを装着し続けることは現実にはできないため、装置をつける時間によって治療効果が変わってしまい、治療に限界がありました。
近年、歯科矯正用アンカースクリューが登場し、ブラケット装置と組み合わせて治療することにより、治療の確実性や効率性が増し、治療期間の短縮につながるだけでなく、より良い治療結果が得られるようになってきました。
歯科矯正用アンカースクリューは歯茎の上から骨の中に埋め込みます。埋め込んだ後、歯科矯正用アンカースクリューは骨の中で全く動かなくなります。
しっかりと骨の中で固定された歯科矯正用アンカースクリューから前歯を引っ張ることにより、前歯を後ろに下げ前突を治したり、奥歯が前にずれてくるのを防ぎ、奥歯の咬み合わせが変わらないように維持することができます。
以前は開咬や受け口(下顎前突)、ガミースマイルなどの症例では、治療法が限られており、外科矯正をしないと十分な治療結果を得られない場合が多くありました。
歯科矯正用アンカースクリューを使用することにより、これまででは不可能であったような歯の動きが可能となったため、以前は外科矯正をしないと治療できなかった症例でも、外科矯正なしで治療できるようになってきています。
歯科矯正用アンカースクリューを歯茎に埋め込む際は、麻酔をして植立します。植立された歯科矯正用アンカースクリューは骨の中で全く動かなくなるため、触れても痛みが出ることはありません。
もし歯科矯正用アンカースクリューのあたりに痛みを感じた場合は、歯科矯正用アンカースクリューが骨としっかりついていない可能性があります。その際は、一旦歯科矯正用アンカースクリューを外して、再植立が必要になります。
歯科矯正用アンカースクリューは直径約1.5mm、長さ約6~8mm程度で、骨の中に直接埋め込みます。歯科矯正用アンカースクリューは矯正用ですので、矯正の治療中のみに使用し、治療後には外します。外したあとは自然に歯茎や骨がふさがり、傷跡は残りません。